「朝日」
黒田清輝
1866年(慶応2)~1924年(大正13)
油彩・板 13.5cm X17.5cm
17歳で法律の勉学を目的にフランスに留学しましたが、二年後には絵画に転向し、フランス人画家ラファエル・コランに師事しました。9年にわたる留学を終え帰国、明治29年から東京美術学校初代の西洋画教授に就任。アカデミックな教育を基礎に印象派手法の明るい色彩と清新な自然描写をもたらした近代日本洋画の父ともいわれる巨匠である。
この絵は、晩年の作品で神奈川県の葉山海岸の日の出を描いたものです。清々しい静寂な浜辺に打ち寄せる波には、リズム感が感じられる。折から水平線上に、真っ赤な太陽が昇り始め、その明るく温かい情景は、神秘的雰囲気が漂ってくる。時間と共に変化する微妙な光と空気の感触を的確にとらえ紫色を主調とした色彩でさりげなく自然の動と静を巧みに表現している。
晩年、絵画制作の傍ら貴族院議員や帝国美術院長を歴任し、美術行政家として活躍しました。(河村 栄三)
