「河村コレクションードイツのビアジョッキ」
写真:ドイツ メトラッハ窯 各種ジョッキ 1850年頃

世界中 どこでも酒を盛る器に凝るのは、人類文化の原点であり、共通して見られる傾向である。ビールの本場ドイツといえばビアジョッキ(ビアマグ)ということになる。形や意匠に様々な趣向を凝らした使っても鑑賞しても楽しい美術工芸品てある。素材は陶器と磁器の中間的なもので「炻器」である。硬く焼しめると、釉薬を掛けなくても水分が漏れることがない。なかでもメトラッハ窯は有名でドイツ独特の塩釉で、光沢のないクリーム地か薄茶色の地に宴会風景や恋人たち、紋章など様々な図柄を彩色したり浮き彫りにしてユーモラスな庶民の生活、風習を充分にとらえ鑑賞する者を退屈させない。ちなみにメトラッハ窯は、1920年に閉窯したので現存する作品は、少なく貴重である。祖父、父、私と三代で収集したビアジョッキは、約200点になり質、量共に日本一と自負しており、圧巻なコレクションは是非展示室にてご覧いただきたく思います。(河村 栄三)